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事業用操縦士になるためには第一種航空身体検査証明が必要、その中身は

航空法の定めにより、航空機を操縦するパイロットは定期的に航空身体検査を行うことが義務付けられています。免許および検査には第二種用もありますが、事業用操縦士の場合は第一種航空身体検査証明の検査に定期的に合格する必要があります。

操縦士内科・精神神経科・耳鼻咽喉科・眼科の4科から数十項目を各専門医が検査した後、指定航空検査医が第一種航空身体検査証明の適否判断を行います。主な検査内容は、視機能・聴力・血液検査などです。

視機能では、遠見視力を測ります。合格の基準値は、裸眼で各眼0.7以上・両眼1.0以上の遠見視力です。眼鏡で視力矯正をしている方は、各レンズの屈折度(±)8ジオプトリー超にならない乗用眼鏡(航空業務に際し常用する矯正眼鏡)の着用で各眼0.7以上・両眼1.0以上に矯正可能なことが合格基準となります。

聴力検査は、暗騒音50dB未満の部屋で行われます。500・1000・2000Hzの各周波数において各耳35dBを超える聴力低下がなく、周波数3000Hzで各耳50dBを超える聴力低下がなければ基本的に合格となります。聴力低下が認められた時は、基礎疾患がなく、語音聴力検査で両耳の語音弁別能が85%以上なら適合と判断されます。

聴力以外の耳鼻咽喉科の検査では、内耳・中耳・外耳に航空業務に支障をきたす可能性がある疾患の有無を調べます。真珠腫性中耳炎・メニエール病・突発性難聴・内耳窓破裂、良性発作性頭部めまい症・腫瘍・既往歴やその疑いがある腫瘍・支障の懸念がある炎症性疾患は不適合と判断されます。また、聴神経腫瘍・その他の小脳橋角部腫瘍・前提神経炎も認められません。

ただし、突発性難聴は平衡機能に異常がなく聴力基準を満たす場合は適合になります。良性発作性頭位めまい症は単回発作で自覚症状が消失し、眼振検査や平衡機能検査で異常がなければ適合です。

また、第一種航空身体検査に限り、各疾患に対して臨床的な治癒が施された場合でもあぶみ骨手術の既往がある時は不適合と判断されます。しかし、手術法が小開窓あぶみ骨切除手術・手術後6ヶ月以上を経過・平衡機能に異常がない・聴力基準を満たすといった条件に当てはまるなら適合です。血液検査では、造血器系を調べます。航空業務に支障をきたす可能性のある貧血・血液関連の疾患がなければ、特別な問題はありません。

あらゆる事情で不適合状態と判断されても、経過が良好なら国土交通大臣の判定を受けることができます。その際は、臨床経過・聴力検査・平衡機能検査の結果などを添えた申請が必要です。十分な観察期間を経ても経過良好で病態などの進行がないと認められるものは、国土交通大臣の指示により以後指定医が適合とすることを許可されます。

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